アップライトピアノまるわかり!~ガイド、買い方、選び方、メンテ法~
1. アップライトピアノを知ろう(大きさや構造、メーカー、種類)
1.1 アップライトピアノについて知ろう
1.2 メーカーや種類には何がある?
1.3 グランドピアノとの違い
1.4 電子ピアノとの違い
2.もう悩まないアップライトの賢い選び方、買い方
2.1アップライトピアノの選び方
2.3電子ピアノとアップライト、どちらが良い?
2.4アップライトピアノの買い方
3. アップライトをベストな価格で探そう
3.1新品、新古品のアップライトピアノの探し方
3.2中古のアップライトピアノの探し方
4. アップライトを置く環境を整え、メンテナンスする(移動、置き場所・防音など環境づくり、調律)
4.1アップライトピアノを移動させる方法と注意点
4.2アップライトピアノの環境と置き場所はどこがよい?
4.3防音環境をつくるには?
4.4ピアノ調律やメンテナンスについて
はじめに
アップライトピアノのことを、とにかく知りたい!そんなあなたの、まるわかりガイドとしてご活用ください。アップライトピアノはどんなピアノなのかに始まり、買い方、選び方、置き場所、調律などメンテナンス法について網羅しています。また、グランドピアノ、電子ピアノとの違いについてもふれています。
1.アップライトピアノを知ろう(大きさや構造、メーカー、種類)
1.1アップライトピアノについて知ろう
いわゆる縦型のピアノで、大きさについては、3つのタイプがあります。
・小型タイプ(112センチ)
背がいちばん低く、圧迫感がありません。
・コンパクトタイプ(121センチ)
中型で、高さがない分だけ、響板を十分に響かせる方式をとっています。
・本来のタイプ(131センチ)
アップライトピアノ本来の大きさになります。弦の長さや響板の大きさに余裕があるため、豊かな響きを生みます。
1.2メーカーや種類には何がある?
主な国産ピアノメーカーを、人気順に並べています。
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ヤマハ(YAMAHA) |
日本、世界ともに第一位の製造台数。どんな環境でも安定した品質で、人気も圧倒的。 |
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カワイ(KAWAI) |
日本、世界ともに第二位の製造台数を誇る。ヨーロッパのピアノを意識したやわらく豊かな音に定評がある。 |
アトラスピアノ |
生産設備、台数においてヤマハ、カワイを次ぐメーカー。明るく華やかな音が特徴。 |
東洋ピアノ |
代表的なブランドはAPOLLO(アポロ) 。一時は、ヤマハ、カワイに続く生産台数を誇った。 |
ディアパソン(DIAPASON) |
現在はカワイの資本傘下。マニアに人気。 |
主な海外ピアノメーカーを、人気順に並べています。
| スタインウェイ(Steinway&Sons) |
現代ピアノの最高峰とされ、あらゆるコンサートホールに納品されている。ホールの隅々まで響く伝達性と輝くような高音が特徴。 |
| べヒシュタイン(Bechstein) |
ピアノメーカー御三家の1つ。力強い低音を持つが、全体的に落ち着いた音色が持ち味。 |
ベーゼンドルファー(Bösendorfer) |
ピアノメーカー御三家の1つ。楽器全体がよく響く設計がされており、現代的であるが、ヨーロッパの伝統的な味わいがする音色。 |
ペトロフ(PETROF) |
チェコスロバキアのピアノ。音色がとてもやわらかい。 |
色については、以下の二種類がとても人気です。
ピアノブラック
木目調
付加機能を持ったものとして、以下があります。
消音ピアノ(サイレントピアノ)
これは、ふだんはアコースティックピアノとして演奏でき、夜に静か位に弾きたい場合はヘッドフォンで音を消して演奏できる機能を持ったピアノです。
効果はバツグン。この機能によって、ピアノ本体からの音はまったく出なくなり、夜でも安心して弾けます。
1.3グランドピアノとの違い
アップライトピアノとグランドピアノでは、機構など様々な違いがあります。主に3つです。
アクション
アクションとは、鍵盤から力が加わってハンマーを叩くまでの一連の機械のしくみのことを言います。グランドピアノは、てこの原理でハンマーを上の方向へ跳ね上げて音を鳴らします。それに対して、アップライトピアノは複雑なしくみを用いてハンマーを前に押し出すように鳴らすため、グランドほど自然に鳴らすことができません。結果として、アップライトは小さな音から大きな音までの幅が狭くなったり、鍵盤の連打(同じ鍵盤を連続して叩くこと)の性能においても違いがでます。
アップライト: 1秒間に7回程度の連打
グランド: 1秒間に14回以上の連打
ペダル
ペダルは、双方とも3つあります。ただし、真ん中のペダルに機能の違いがあります。(下記の表を参照)
グランドピアノ: ソステヌートペダル。鍵盤を押さえた後このペダルを踏むことにより、ひとつの音を響かせながら演奏可能です。
アップライトピアノ: マスラーペダル。踏むことによって、弦とハンマーの間にフェルトがはさまり、音量を下げます。
グランドピアノのペダル |
|
| 左:ソフトペダル |
鍵盤全体を右に動かし、打弦を3本から2本にして音量調整や、音色の変更が可能。 |
| 真ん中:ソステヌートペダル |
鍵盤を押さえた後にこのペダルを踏むと、ひとつの音や和音を響かせた状態で演奏が可能。 |
右:ダンパーペダル |
踏むことにより、音を止めるダンパーがすべての弦から離れ、長く音を伸ばすことが可能。 |
アップライトピアノのペダル |
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| 左:ソフトペダル |
踏むことで、弦との距離を縮めて打弦することになり、音量を弱める。 |
| 真ん中:マスラーペダル |
踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルトの幕が下り、音量が下がる。 |
右:ダンパーペダル |
踏むことにより、音を止めるダンパーがすべての弦から離れ、長く音を伸ばすことが可能。 |
響き
両者の響きの違いです。
グランドピアノ: アップライトピアノよりも弦の長さに余裕があるため、伸びやかで重低音を持った豊かな響きになります。
アップライトピアノ: 響板の前が板で塞がれ、また後ろは壁になっています。そのため、音がこもりがちになります。
1.4電子ピアノとの違い
アップライトピアノなどアコースティックピアノと電子ピアノのいちばんの違いは、音の出し方です。
アップライトピアノ: 鍵盤を押すと、ハンマーで弦を叩いて音をだします。叩いた弦以外の弦も共鳴し、深みのある音になります。
電子ピアノ: 鍵盤は音をだすためのスイッチです。打鍵をセンサーが感知すると電子音源が鳴り、スピーカーでそれを増幅させます。
2.もう悩まないアップライトの賢い選び方、買い方
2.1アップライトピアノの選び方
まず、ピアノを選ぶ際のチェックポイントを挙げてみます。
・誰がどんな目的で弾くのか
・音色やタッチをどこまで求めるか
・夜弾くかどうか、消音装置は必要かどうか
・どこに置くか
・予算
・メンテナンスにも費用
音楽教育に力を入れたい、あるいは中級以上を目指すのであれば、よりグレードの高い機種を。また、夜にどうしても弾きたい場合は、消音装置付きか、または電子ピアノも選択肢にはいってきます。
次に、購入する前には、実際に弾いて確かめてみましょう。実際の音色や弾き心地がどうかもわかりますし、同じ機種でも個体に差がでることもあります。
2.2電子ピアノとアップライト、どちらが良い?
ひとくくりには言えませんが、以下のポイントにイエスの場合は、電子ピアノのほうがよさそうです。
・予算も低めで、メンテナンスにできるだけ費用をかけたくない
・設置場所を選ばず、移動も簡単なほうがよい
・夜でも近所に気兼ねなく弾きたい
反対に、予算に余裕があり、音漏れの心配もさほどなく、本来のピアノの響きとタッチを求める場合は、アップライトピアノになります。また、ピアノ講師の間では、アップライトピアノのほうが音楽性豊かな子が育ち、上達しやすいという意見が多くあります。
2.3アップライトピアノの買い方
ここでは、買い方について主なパターンを挙げてみます。
・楽器店、ピアノ販売店で購入する
・ピアノ教室の先生に相談する
・個人の調律師から購入する
・ネットの販売店から購入する
・友人、知人から譲ってもらえないか聞いてみる
具体的にどのように探せばよいかは、次章になります。
3.アップライトをベストな価格で探そう
3.1新品、新古品のアップライトピアノの探し方
インターネットで相場を知りたいのであれば、以下のようなサイトが便利です。どういった機種が、どのくらいの価格で売られているのかがわかります。
・価格コム
・楽天
・Amazon
その他、販売店など実店舗を実際に周ってみると相場がわかってきます。楽器店で購入する場合は、相見積もりを取ってみましょう。
ピアノ教室の先生を通して、または調律師さんからも購入できます。特別な特典が付いたり、通常より割引率が高くなることもあります。
3.2中古のアップライトピアノの探し方
インターネットで探す場合、「アップライトピアノ 中古 購入(販売)」といったキーワードで検索して探してみます。
実店舗の楽器店などでも扱っていますので、実際に周ってみるのもよいでしょう。
あとは、信頼できる調律師さんに予め希望の価格帯を伝え、状態の良いピアノを探してもらうよう頼んでおくのも手です。良いピアノが見つかれば、その時点でおしえてくれます。
4.アップライトを置く環境を整え、メンテナンスする(移動、置き場所・防音など環境づくり、調律)
4.1アップライトピアノを移動させる方法と注意点
アップライトピアノの移動料金の相場です。
室内での移動: 1万円前後
引っ越しのとき: およそ2万円弱(10キロ以内)
インターネットで、「アップライトピアノ 引っ越し 見積もり」といったキーワードで検索すると、業者を探すことができます。
尚、新品購入時の配送料(販売店などから自宅までの送料)は、無料サービスとなることが多いです。配送料が必要な場合は、同県内一階への納品であれば、上記の引っ越しの際の料金相場と同程度です。
自宅の部屋から部屋へ、自分で移動させることもできます。その方法と注意点です。
移動させるときは、なるべく外せる板は外しておきます。ピアノの下に毛布を敷き、毛布ごと滑らすように移動させます。大人が3,4人で行ったほうがスムースで、より安全でしょう。1人がずらし、後の二人が前後からピアノを支えます。
4.2アップライトピアノの環境と置き場所はどこがよい?
置く環境については、できるだけ温度と湿度(50%前後)が一定の場所が望ましいです。目安は、人間が心地よいと感じる温度や湿度で、それはピアノにとっても理想的で同じです。最も良くない環境は、温度や湿度が極端であったり、その変化が激しい場所です。これは、ピアノを痛めてしまうので注意が必要です。
以下は置き場所に関する注意する点です。
・窓からの直射日光が当たらない場所
・調律しやすい場所(右側は少し開けておく)
・床暖房はできるだけない部屋
・背面は少し空間を開けておく
4.3防音環境をつくるには?
ピアノを購入すると、ご近所やマンションのお隣から、ピアノの音に対して苦情がこないか気になるところ。以下に対策方法を挙げます。
・室内に防音ルームを置く
・背面に防音、吸音パネルを置く(上下階、隣家対策)
・下に吸音パネルを敷く(階下対策)
・ピアノの裏に毛布などを置く
・部屋のカーテンを厚めにする。
・二重窓にする。
もっともお手軽で費用がかからないのが、ピアノの裏に毛布などを置くことです。少し料金はかかりますが、裏におく防音パネルも有効です。反対に値段は高くなってしまいますが、部屋の中に防音室をつくってしまえば、ほぼ100%防音対策ができます。
4.4ピアノ調律やメンテナンスについて
アップライトピアノには、定期的なメンテナンスが必要です。以下は、その主な項目です。
・ピアノ調律(料金は一万円前後)
・ピアノ内部の掃除(料金は、調律費用に込みか別途料金)
・ハンマー整形(整音、料金は1万円~)
・鍵盤の調整 (整調、料金は1万円~)
・部品交換など修理
まず、基本的に年一回程度の調律と内部の掃除が必要になります。ここをしっかり行っておくことで、寿命を伸ばすこともできます。その他、2年から5年ごとに、ハンマー整形、鍵盤調整、劣化した部品の交換などを行えば、万全となります。調律は音の高さを整える作業です。それに加えてその他のメンテナンスを行えば、音色がきれいになったり、弾き心地が良くなります。

